色の神秘〜モネに学ぶ
私たちは、色から感じることはたくさんあります。意識しないでも色に囲まれて生きていますね。
今のセールの時期なら、赤いSALEと見たら今買わなくちゃと燃えちゃう人もいるでしょう。
さて、目に見える色彩を扱ったのは印象派。
その代表であるモネの2枚は、同じ積みわらを描いたものですが、印象はどうでしょうか？
上の副題は、ピンクと青の印象、下は朝の雪の効果で白と青が画面のほとんどを占めています。
モネは、印象派の画家で、戸外制作を行うことでいままでのアカデミーの反する絵画へと進んでいきました。チューブ式の絵の具が出来たこともこれを助けたと言われています。
室内での光の当たり方と太陽光では全く違いますね。
戸外の太陽の光の下では、強烈な明暗が出来、明物が平らに見え、陰も単なる黒や灰色ではなく、周りの物から光が反射して、色彩が見える。
印象派の画家たちは、目に映る色彩を自由に描くようになったのです。
物には固有の色がある、とされてきたのを太陽光によっていろんな色が見えることを発見したのですね。とても大きな衝撃だったのではないでしょうか？
実際に絵を見比べてみるとどうでしょうか？
ピンクと青の印象では、暖かさを感じられ、下の方は冷たさ、シャープさを感じませんか？
同じものなのに時間と季節が違うと全く違う印象になりますね。
同じ人がピンクを着るのと青、または白を着るのでは印象が違ってきます。
ピンクは、暖かさ、優しさを、青は冷静さと静けさ、白は冷たさとクリアーな印象を与えます。
私たちは無意識にこのことを知っているから色を見た時に同様の印象を持つのです。
色彩は共通の言語であるとも言えますね。
この言語を上手に使うことで自分の印象を上げることができるのです。
優しい人に思われたければ、ピンク。
クールになら青。
クリアーなら白。などなど。
無意識に色を選んでいることは多いですが、自分の今の気持ち、必要な色を選んでいるんですよ。
色を味方につけることで、変わってくる、面白いですね。
少しだけ、色を意識して見てみるのもいいかもしれません。
「積みわら(ピンクと青の印象)」クロード・モネ
1891年 個人蔵
「積みわら(雪の効果、朝)」クロード・モネ1891年 J・ポール・ゲティ美術館蔵
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